FX業者は、法的なルールに乗っ取ってロスカットの整備義務があります。
ホームページを見ると、資産を守るためにロスカットルールがあると記載していますが、果たして本当にそうなのか疑問に思ったことありませんか?
ここでは、ロスカットルールの真実と本質を理解するために、どのような仕組みで動いているのか確認してみましょう。
目次
一般的なロスカットの説明
ロスカットに関する一般的な説明は、あなたの資産を守るために、ある一定金額の損失が発生したときにそれ以上の損失が出ないよう自動的に決済(マージンコール発動)させる仕組みが紹介してあります。
これを、表面的にとらえると、損失は自動ロスカットにより限定的に抑えられると勘違いしやすい内容となっています。
しかし、この内容は、安心させるための謳い文句であり本質ではありません。
ロスカットの真実を理解するには、必要証拠金と維持率の概念の理解が必要になるので、まずは簡単におさらいしておきましょう。
必要証拠金の計算例
必要証拠金は日々変動していることをご存知でしょうか。
例えばドル円の為替レートが1ドル=100円の場合、必要証拠金は4万円となります。
このカラクリは、金融庁の法的なルールに基づいて算出されています。
1万通貨 × 100円 = 100万円
100万円の取引に必要な担保金 = 4%
100万円 × 4% = 4万円(証拠金)
100万円 ÷ 4万円 = 25倍(最大レバ)
証拠金維持率の計算例
純資産 ÷ 必要証拠金 = 証拠金維持率
10万円 ÷ 4万円 = 250%
10万円 ÷ 4千円 = 2500%
10万円 ÷ 4百円 = 25000%
ロスカットの真実
FX業者のロスカット水準は、概ね40%ほどで設定されていますが、40%の資産を必ず担保する仕組みではありません。その理由は2つあります。
相場の変動によって40%を超える場合もある
計算を単純化するために必要証拠金は固定しています。
通常時
通常は、40%の水準でロスカットされます。
ポジション | 必要証拠金 | 現在レート | 評価損益 | 純資産 | 維持率 |
---|---|---|---|---|---|
買 1万通貨@120円 | 5万円 | 120.00円 | 0円 | 10万円 | 200% |
買 1万通貨@120円 | 5万円 | 112.50円 | -7.5万円 | 2.5万円 | 50% |
ロスカット | 5万円 | 112.00円 | -8万円 | 2万円 | 40% |
異常時
急激な価格変動で40%を割り込むケースもあります。
ポジション | 必要証拠金 | 現在レート | 評価損益 | 純資産 | 維持率 |
---|---|---|---|---|---|
買 1万通貨@120円 | 5万円 | 120.00円 | 0円 | 10万円 | 200% |
買 1万通貨@120円 | 5万円 | 112.50円 | -7.5万円 | 2.5万円 | 50% |
ロスカット | 5万円 | 111.00円 | -9万円 | 1万円 | 20% |
このように相場変動(異常時)によってロスカット判定に利用されるプライス次第でロスカット水準40%を下回ってマージンカットが発動することも大いにあるのです。
ロスカット水準40%の意味はなんだろう
相場の動き方によって、必ずしもロスカット水準を担保するわけではないことがお分かり頂けたかと思います。
では、この水準の意味は一体何なのか考えてみましょう。
相場が大きく動き、維持率が-10%の水準でロスカットが発動したときの例です。
ポジション | 必要証拠金 | 現在レート | 評価損益 | 純資産 | 維持率 |
---|---|---|---|---|---|
買 1万通貨@120円 | 5万円 | 120.00円 | 0円 | 10万円 | 200% |
買 1万通貨@120円 | 5万円 | 112.50円 | -7.5万円 | 2.5万円 | 50% |
ロスカット | 5万円 | 109.00円 | -11万円 | -1万円 | -10% |
※純資産が-1万円になるケース
このマイナスは、あなたが預け入れたお金以上に損失が発生したことになりますが、この穴を埋めるには、入金して解消しなくてはなりません。
一方、FX業者の視点に立ってみましょう。
もしも、あなたの純資産が-1万円となった場合、FX業者にとってこれは債権を意味します。(あなたから見ると債務です。)
債権があるということは、当然回収しないとその金額がFX業者のツケとして損失計上することになってしまいます。
つまり、ロスカット水準とはFX業者が債権を持たないための(会社を守るための)水準でもあるのです。
ロスカット水準を高めに設定しているFX業者は、債権リスクをあまり取っていないと言えます。逆に低くしているFX業者は、債権リスクを取って顧客の資金効率を上げていると判断できます。
ロスカットシステムを過信しない
自動ロスカットの仕組みを理解すれば、必ずしも資産が守られる訳ではないことが分かったと思います。
ここで大事なのは、ロスカットされない資金管理をしっかり行うことが重要となってきます。
トレードのテクニックやポジションコントロールなど覚えることはたくさんありますが、その中でも資金管理の技術ほど大切なものはありません。
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